プロップレプリカ好きの方なら周知のことと思うが、吉祥寺のガレージキットメーカー・ウェーブ(WAVE)が7月下旬にポリストーン製塗装済み完成品モデルのスカイダイバーを発売する。
予約注文は4月30日で締め切られており、私は「特撮 プロップス 倉庫」ののウォッチを怠っていたため、「UFO Series Home Page」で先日知った。日本のことなのに、こうしてイギリスのサイトに教えられるなんて、本当に「UFO Series Home Page」はすごい。世界中の「謎の円盤UFO」ファンが新作グッズ情報を知るのは「UFO Series Home Page」なので、WAVEは再受付を行なったらどうか。必ず世界中から注文があると思う。
ノンスケール表記だが全長約50cm(サンプル実測で約48cm)は約1/72で*1 、プロップモデルのような存在感らしい。価格は6万円(税別)。同社の製品ラインナップを見ると、美少女フィギュアや80年代メカの商品が中心で、ITC作品のプロップレプリカは異色に思えるが、担当者はこう語っている。
私と同じ50歳前後の方なら、当社の前身である「Hobby Shop LARK」がITC関連のガレージキットを手掛けていたのを覚えていらっしゃる方も居ることと思います。
当時、プラモデルになっていなかったアイテム、サイズでいくつかのキットをリリースしていたのですが、お客様に求められるものがSFアイテムからロボットものにシフトし、いつしかシリーズは休止の状態が続くようになってしまいました。
すっかりそのような製品をリリースしていたことを忘れていたのですが、先日倉庫を片付けていると、なんとこの「スカイダイバー」の原型が出てきたのです。
懐かしいなぁと思いつつ眺めていて、“もしかして出来はいいんじゃないのかな?再リリースしたら喜ばれるのでは?”と思ったのです。
このレジン版ガレージキットの原型を再利用し、ポリストーン製塗装済み完成品モデルを製作したのだ。当時(約30年前)は詳細資料がなく、想像で製作した細部もあったはずだが、今回は外部モデラーの協力を得てブラッシュアップしたそうだ。例えば、艦首部分にあるメッシュのモールドは、
昔のキットでは単に市販の四角い目のメッシュを貼っていただけなんだけど、
プロップは六角形のちょっと変わったディティールなんだよね。
でもぴったり合うサイズの“六角形の特殊な模様のメッシュ”なんて見つからない。
じゃあどうしたかといえば3Dデータで作ってもらったんだ。
確かに、実際のプロップ画像を見るとこの部分はハニカム構造に見える(ただし、もっと目が細かく縦の筋が太い)。スカイダイバーのプロップは大小2モデルあり、細部が異なる。正確な6面画像が出回っているのは小モデルのほうで、この製品は小モデルの再現を目指したということだろう。
大モデルは上面の画像自体が見当たらないが、実際にジェリー・アンダーソン作品のプロップを担当したマーティン・バウワー氏が製作したものは四角いメッシュに見えるので、大モデルは四角いメッシュなのかも知れない。艦尾ノズルの形状も異なり、大モデルが正円、小モデルが楕円とのこと。この辺は著名モデラーである「飲食店経営者の模型雑記」が詳しい。
私が注目したのは、スカイ1とダイバー接合部分のサイド排出口。これは大小モデルとも前方にいくほど内部に入り込むのが正確だ。これはスタッフブログのサンプル画像では再現されていないが、製品情報ページの画像では入り込んでいるように見える。「飲食店経営者の模型雑記」によれば、これを正確に再現しているのはマーティン・バウワー氏のプロップレプリカ以外にまだ見かけたことがないそうで、今回のWAVE製モデルがこれを再現したら素晴らしいディテールと言えるだろう。
画像を見る限り、塗装の色味も素晴らしい。プロップレプリカが6万円で入手出来ることはあり得ないので、「謎の円盤UFO」のプロップレプリカが欲しい方にはマストバイだったのではないだろうか。
なお、昔ITC作品を扱っていたガレージキットメーカーであっても、若手社員は「謎の円盤UFO」を知らない人がほとんどというのはびっくり。この作品に影響を受けたクリエーターは数知れないわけで、この業界にいるなら〈基礎知識〉として見ておいてほしい。
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- 『The Complete Book of Gerry Anderson’s UFO』によると、スカイダイバーは全長120フィート=3657.6cm。1/72スケールだと50.8cmになる。 [↩]
1件のコメント
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ご無沙汰です。最近でた4枚組のサンダーバードサントラは買いましたが
コレは僕も全く知りませんでした・・(後の祭りです)
新世紀合金は2個買いしてるんでそれで我慢します(-_-;)