ハンコを手軽に鮮明に捺印したいなら、朱肉「くっきり乾一」+捺印マット「捺印革命II」が最強


この記事は2014年1月に掲載されたものです。
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普通のコピー用紙にくっきり鮮明に捺印したい場合、朱肉と捺印マットはなにがよいか。本格的な練り朱肉を使えば、印鑑登録のような鮮明な印影になるのだろうが、練り朱肉はメンテナンスの手間もかかるし、印鑑が目詰まりすることもある。日常使いのスポンジ朱肉できれいに捺すにはどうしたらよいだろう。

私はこれまで各メーカーの製品を試したところでは、下記の組み合わせがベストと感じている。

スポンジ朱肉と言えばシャチハタ製が多く、uni製を置いている店は限られるが、使ってみるとこれが実に鮮明なのだ。スポンジ朱肉ながら、ポンポンと印鑑を押し当てたとき、適度な粘度の手応えがあって、練り朱肉のイメージに近い。それでいて、朱肉が付きすぎて印影が潰れることもない。PPC用紙が速乾約3秒というスペックで、乾燥後は耐水性・耐光性に優れている。

どのメーカーも速乾朱肉の謳い文句として同じようなことを書いているので、あとは個人的な印象になってしまうが、私はuni製を使ってから、スポンジ朱肉はこれと決めている。素晴らしい製品なのに、三菱鉛筆サイトではWEBカタログで簡単に触れているだけだ。もっとアピールし、販路を広げたらいいのにと思う。

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捺印マットは、コクヨの特殊ゴム製のものを使っていたが、鮮明な印影を得るには、事前に印面を朱肉に充分馴染ませ、場合によっては用紙とマットのあいだに別の用紙を入れて硬さを調整するなど、かなり気合を入れる必要があった。その後、プラスからスポンジ状PVC(ポリ塩化ビニル)レザー製のものが出ていることを知り、使ってみた。見た目はペラペラのシートだが、意外にくっきり捺せる。ただし絶対大丈夫というわけではなく、それなりに気合が必要だ。

そうしたときに見つけたのが、中野精機「捺印革命II」。グリーンのレギュラータイプと、オレンジのスーパーハードタイプがあるが、レギュラータイプは柔らかすぎて用紙に皺が寄ってしまうので、鮮明な捺印にはスーパーハードタイプのほうがよい。スーパーハードとあるが、実際には弾力のあるスポンジだ。

中野精機は長野県安曇野市にある自動車部品組立会社で、2008年1月に初代「捺印革命」を販売開始。2月に日本経済新聞全国版やフジテレビ「とくダネ!」オープニングトークに取り上げられ、一躍有名になった。当時、私もこの番組を見た記憶があるが、最近まですっかり忘れており、今回改めて「捺印革命II」に出会い、その性能を実感した。「捺印革命II」は初代が柔らかすぎるという声を受け、08年12月に販売開始されている。

輝け おっさん「捺印革命」(中野精機社長の友人の友人のサイト、地元紙の詳しい記事が読める)

最大の特徴は、表面が球面形状になっていることで、これで印鑑と用紙を密着させる。これまで私がしてきた印面を朱肉に馴染ませたり、用紙の硬さを調整したりする準備は、結局は印鑑と用紙を密着させるためで、それを捺印マットの形状自体を変えることで実現しているのだ。12年には特許を取得している。

 「印鑑は力一杯押すもの、という常識に以前から疑問をもっていた」と同社の中野克彦社長。印をつきながら銀行の担当者と「もっと楽に、きれいな印影が出ないものか」と話したことがきっかけになった。押印の際、指の腹を台の代わりにすることに着目。「指の腹は球面」と気付き、押印台も球面にすれば…と開発を始めた。銀行の担当者と一緒にいろいろな印鑑で試し、「銀行で絶対にうまくつけない、といわれている印鑑でも大丈夫だった。これで間違いないと思った」(中野社長)。その後、スポンジの硬さなどの実験を重ね、商品化に至った。

公式サイトでは受注生産と書かれているが、アマゾンでは在庫がある。Mサイズ1,050円(税込)と、価格が妥当なのもうれしい(アマゾンは配送料込みで1,350円)。これでいつでも鮮明な捺印が出来ると思えば、納得出来る投資ではないだろうか。全国の「はんこ屋さん21」、一部の「東急ハンズ」などでも扱っている。

繰り返すが、そもそも力を入れずに捺印することを目的に開発された商品なので、グリーンのレギュラータイプだと用紙に皺が寄ってしまう。普通の力で捺印するのなら、必ずオレンジのスーパーハードタイプにすること。

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