古い郵便貯金総合通帳から継承されたゆうちょ銀行総合口座は送金機能が付いていない


この記事は2015年11月に掲載されたものです。
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ゆうちょ銀行ATMで総合口座間の送金(電信振替)をしようとしたら、「この口座は取扱できません」と表示され、「貯金窓口取扱時間中に窓口へお申し出ください」と印字された明細票が出てくる。エラーコードは「5188」だ。

先方の口座になにか問題があるのかと思ったが、私以外からは問題なく送金出来ているという。郵便局の窓口で確認したところ、私の口座に送金機能が付いていないと言われた。「この口座」とは、先方ではなく当方の口座を指していたのだ。

私のゆうちょ銀行総合口座は、学生時代に郵便貯金総合通帳として開設したものだ。銀行振込ばかり使っていたので、送金は一度もしたことがなかった。郵便貯金時代に送金が出来たのは総合通帳「ぱ・る・る」だ。どちらもゆうちょ銀行に継承されて総合口座になったが、郵便貯金総合通帳だったものは送金機能を付けないと送金出来ないのだ。ゆうちょ銀行Webサイトの「総合口座のご案内」には、「7つの機能」として「送る」も明記されており、これで送金が出来ないとは誰も思わないだろう。

総合口座通帳の3ページ目を見ると、「郵便振替口座開設(送金機能)」欄がある。しかし、これはその上に○が印字されていないと使えないのだ。郵便局の窓口では、手書きで○を付けてくれた。申込書に住所・氏名・電話番号・生年月日を記入させられたが、本人確認や捺印などは不要だった。

「郵便振替口座開設(送金機能)」欄には手書きで「移替基準額10,000,000円」と記入された(「移替基準額」は旧名で、いまは「オートスウィング基準額」が正しいようだ)。ここからが非常にわかりにくいが、ゆうちょ銀行の送金機能とは、次のような仕組みになっている。

  1. ゆうちょ銀行の送金とは、振替口座を使って行なう。
  2. 振替口座は総合口座と同一記号番号で開設される。つまり一つの通帳で総合口座と振替口座を兼ねている。
  3. 振替口座が出来ると、預入限度額1千万円を超えた分を無利子の振替口座に入れることが出来る。
  4. 普通貯金の上限(オートスウィング基準額)を決めておくことで、定期貯金・定額貯金を含めた総合口座合計額を1千万円に抑えることが出来る。

オートスウィング基準額を決めておかないと、外部からの送金で総合口座合計額が1千万円を超える場合、送金自体が受け付けられないのだろう。私は定額貯金・定期貯金がないので、自動的に限度額いっぱいの1千万円という記載になった。

総合口座の記号が「1」から、貯金機能のない振替専用口座は記号が「0」から始まるのは知っていたが、総合口座も振替口座を併設しており、それがないと送金が出来なかったのだ。

(本来の総合口座)
総合口座「普通貯金・定期貯金・定額貯金」(有利子)+振替口座(無利子、送金用)

(郵便貯金総合通帳から移行した総合口座)
総合口座「普通貯金・定期貯金・定額貯金」(有利子)

(振替専用口座)
振替口座(無利子、送金用) ※通販などの振替払込用紙で使われる口座

ちなみに、3ページ目の「定額定期自動貸付け」にも○が付いてない。これは郵便貯金総合通帳時代からの機能で、手続きしなくてもデフォルトのはず。通帳発行時に定期貯金・定額貯金がないと○が印字されない仕様のようだが、3ページ目の機能はデフォルトのものと○があって有効になるものが混在しているわけで、これもわかりにくい要因となっている。

保存してあった古い郵便貯金総合通帳を見ると、こちらも3ページ目に「郵便振替口座開設」欄があった。このため、郵便貯金時代でも送金機能を付けることは可能になっていたのだろうが、意識したことはなかった。銀行振込中心だと郵便貯金は貯蓄専用で、送金には使わないからだ。