7月27日に小林信彦著『大統領の密使/大統領の晩餐』(フリースタイル)がアマゾンから届いた。小林氏書き下ろしのあとがきも載っている。帯の惹句も懐かしい。
ビバ ビバ オヨヨ!
ビバ オヨヨ!
フリースタイル (2019-07-26)
売り上げランキング: 12,193
私がオヨヨ大統領を知ったのは、御多分に洩れず小学4年生のときのNHK少年ドラマシリーズ「怪人オヨヨ」(NHK総合、1972年7月)。原作者が大好きだった「巨泉×前武ゲバゲバ90分!」(日テレ、1969年10月~1970年3月、1970年10月~1971年3月)の命名者とは知る由もなく、放送局の内部をそのまま見せるメタ的映像に斬新さを感じたものだった。セットをそのまま見せる「謎の円盤UFO」第20話「謎の発狂石」(日テレ、1971年2月13日)とも通じる点があった。
そして小学5年生の3月に、書店で「オヨヨ」の文字に再会して買ったのが『オヨヨ城の秘密』(晶文社、1974年)。体裁はジュヴナイルだが、大人でも充分楽しめる内容だ。晶文社は中原弓彦名義で書かれた評論に注目し、朝日ソノラマから1970年に出た『オヨヨ島の冒険』『怪人オヨヨ大統領』も合本して復刊していた。雑誌『中二時代』(旺文社)1973年4月号~1974年1月号に連載された『オヨヨ城の秘密』も、書き下ろしの2章を追加してすぐ単行本化したのだ。大人向けの本は、それ以前にカッパ・ノベルス(光文社)などの新書を読み始めていたが、自分の小遣いで買ったハードカバーはこれが初めてと記憶している。
オヨヨ大統領シリーズを入口に小林氏の作品群にのめり込んでいった私は、文章による〈笑い〉とはなにかを学んだ。ギャグ、コメディ、ユーモア、パロディ、パスティーシュとはなにかを教えてもらった。松村雄策氏とのいわゆる「ビートルズ論争」だけは残念だが、それ以外は人生で最も敬愛する作家と言っていい。⇒Wikipedia「ビートルズ論争」
『オヨヨ城の秘密』に折り込まれていたチラシもそのまま残してある。貴重だと思うので、紹介したい(クリックで拡大)。