東急電鉄で登録したICカードを使うとたまる「のるレージサービス」。1日で定期券だと10のるる、定期圏外の東急線を使うと20のるるになり、毎月のポイントで「駅員」から「名誉駅長」までランクが変動する仕組みだ。
ランクによって異なる賞品が当たるプレゼントに応募出来るほか、ためたポイントでオリジナルグッズや切符に交換出来るが、オリジナルキャラクター「のるるん」に興味がないとイマイチのものが多く、109シネマズの招待券と交換出来ればいいが、それはプレゼントのほうにしか入っていない。
そんな中、のるレージサービスで最大の魅力が「名誉駅長」に発行される「のるレージオリジナルPASMO会員証」だ。これは「名誉駅長」の肩書と自分の名前が印字された「のるるん」デザインのPASMOで、通常のチャージはもちろん、PASMO定期券としても使用出来る。私もこれが欲しくで、乗車履歴を確認しながら乗り越しなどを重ね、2017年4月に「名誉駅長」になって、同年6月末に「のるレージオリジナルPASMO会員証」が発行された。「名誉駅長」になると事務局から案内メールが届き、専用ページで申し込むと、2か月後に簡易書留で届くのだ。一部では「東急ブラックPASMO」と呼ばれ、人気があるようだ。
これは「PASMO付身分証等」のシステムを使っている。PASMOと社員証や学生証を一体化させたもので、表面が自由にデザイン出来る。PASMO自体の有効期限が設定可能で、「のるレージオリジナルPASMO会員証」は2年間になっている。私に場合、17年6月末発行なので、有効期限は19年6月30日だ。気になるのが、2年後に有効期限が切れた場合、記念に手元に置いておけるかということ。FAQを見ると、
Q のるレージ『オリジナルPASMO会員証』の有効期限が切れた場合はどうすればいいですか。
A 回答 有効期限の切れたのるレージオリジナルPASMOは、PASMOとしてご利用いただけません。ただし、有効期限が切れた後もPASMOの払い戻しは行うことができます。
とあって、カード自体の返却には触れていない。「Yahoo!知恵袋」では、
名誉駅長PASMOが発行されて2年
前 たったら東急にカードを返さなければいけないのですが?いいえ、返却の必要はありませんがPASMOとして無効になります。
というやりとりもあるが、これは15年1月時点の話で、私が「のるレージオリジナルPASMO会員証」を入手した17年6月に同封されていた利用案内には、次のように明記されている。
第7条(有効期限満了時等の取扱い)
5.本カードの有効期限が満了した場合、利用者は速やかに有効期限が満了した本カードを身分証等発行者に返却するものとします。ただし、第2項の交換を行う場合は、移替え手続き後速やかに有効期限が満了した本カードを身分証等発行者に返却するものとします。「のるレージオリジナルPASMO会員証」ご利用案内「PASMO付身分証明書等利用特約」より
「PASMO付身分証明書等利用特約」はPASMO共通なので、全文は東京メトロサイトで読める。
ここにある第2項というのは、有効期限が満了した場合(または満了する場合)に、身分証等発行者、事業者及びパスモが認めるときに限り、新たな有効期限が設定された本カードに交換出来るというもの。この特約は「のるレージオリジナルPASMO会員証」だけでなく、様々な社員証、学生証で共通なので、そのときの更新を意味しているのだろう。PASMOではなくPASMO機能が付いた会員証なので、「名誉駅長」の場合は期限が切れたらさっさと返せということだ。PASMOとして手元に残すことが出来ないのだ。
有効期限が切れる半年前、つまり18年12月には東急電鉄から「重要なお知らせ」という封書が届き、次のように書かれて返送用の封筒が同封されていた。
■有効期限満了後のPASMO会員証につきまして
2019年6月30日の有効期限が過ぎましたら、PASMO付身分証明書等利用特約第7条第5項に記載の通り、同封の専用返信用封筒にて本会員証の返却をお願いいたします。
ならば、再度名誉駅長になって「のるレージオリジナルPASMO会員証」を申し込めばと思うが、有効期限内での申し込みは認められず、有効期限が切れた翌月以降に再度名誉駅長になってから改めて申し込み出来る仕組みだ、
■有効期限満了後のオリジナルPASMOのお申込みにつきまして
現在お持ちいただいているオリジナルPASMOの有効期限が切れた翌月以降に再度名誉駅長になられますと、対象者の方にお申込みメールが配信されますので、改めてオリジナルPASMOへお申込みいただけます。なお、有効期限内に名誉駅長になられた場合はお申込みいただけません。予めご了承ください。
このため、最低2か月は「のるレージオリジナルPASMO会員証」なし状態になる。返却せずに手元に置いておけば別だが、それは返却を求められるはずだ。タイムラグなしに継続して発行出来ればよいが、そこまでの配慮はなさそうだ。