「UFO Series Home Page」の「謎の円盤UFO ブルーレイ・コレクターズBOX」に対する検証がすごい。特設ページで加筆を重ね、日本のアマゾンから取り寄せたブルーレイと、英国版DVDを詳細に比較をしている。当初発表されていたリージョンA(アジア、アメリカ)からリージョンフリーに変更されたため、喜んでいる様子がうかがえる(日本の価格は高いと思うが)。
画質は当然素晴らしい。私もDVDと比較してみたが、やはりブルーレイのHD画像のほうが美しい。フィルムに焼き込まれたオリジナルのテロップなど、鮮明すぎて写植であることが丸わかりだ。「UFO Series Home Page」も全体的に画質が向上していると断わった上で、下記の点を指摘している。
- いくつかのシーンで色がかぶったり、潰れてしまっている。
- 特殊処理のオプティカルプリンタを使用したシーンで、汚れが目立つ。
- 「眠れる美女の怪奇」のフラッシュバックシーンが、セピアでなくモノクロになっている。
- 「宇宙人フォスター大佐」で22分15秒~23分までの45秒間(フリーマン大佐たちがリサーチセンターに踏み込むところ)、画面サイズが4:3から16:9になってしまう。
3と4は私も驚いた。3は作品全体の印象に大きく影響するもので、なぜこのようになってしまったのかと思う。DVDは日本版も当然セピアである。
「UFO Series Home Page」では、「シャドーはこうして生まれた」「人間爆弾」がオープニングシークエンスなしで放送されたことにこだわり、日本版はLD時代からオープニングシークエンスを追加していると指摘してきた。ブルーレイもそれを踏襲しているが、それよりもオリジナルや初期放送時と同様に、導入部→オープニングシークエンスの順に戻して収録してほしかった。そのほうが絶対にカッコいいはずだ。
検証は今後も「UFO Series Home Page」が続けてくれると思うので、そちらを見守りたい。本国ならではの様々な資料があるようで、日本ではとてもわからないことまで指摘してくれる。
今回のブルーレイBOX全体について私の印象だが、「サンダーバード」との抱き合わせとはいえ、作品自体の魅力を前面に出して売ろうする姿勢が、まずよいと思う。メニュー画面も凝りすぎておらず、ブックレットも濃い密度で編集されており、好感が持てる。2冊合計で72ページのDVD-BOXに比べて44ページしかないが、充実していると思う。DVD-BOXのときは「エヴァンゲリオン」人気に便乗している印象があったが、それは「謎の円盤UFO」に対して失礼だろう。
「謎の円盤UFO」では制作順と放送順の違いも重要だが、今回はブックレットにリストを掲載している。ただ、英国放送順としてATV(ITCの親会社で、当時最大の民放)のミッドランド地域の放送日を採用している。英国は地域ごとに編成がバラバラで、日本のように全国ネットで同じ放送順ではなかったため、ATVミッドランドは「ムーンベース衝突コース」「眠れる美女の怪奇」を初回は放送せず、1973年の再放送で初めて放送した。ATVアングリアのように71年に放送した地域もあり、この辺は注釈を入れてほしかった。
エピソードごとの初放送日時は、『The Complete Book of Gerry Anderson’s UFO』を見ればわかる。
Reynolds & Hearn
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