WordPressは闇雲に高機能化せず、ブログ用とCMS用にベースラインを分割すべき


この記事は2013年2月に掲載されたものです。
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今回のWordPress 3.5へのバージョンアップは相当迷った。2012年6月にWordPress 3.4へバージョンしたとき、「個人サイトなら本体機能は現在でも充分なので、敢えてリスクを冒してメジャーバージョンアップする必要はない。今後は必要性を考えてその都度判断したい」と書いたとおり、WordPress 3.4.2で機能的には満足していたからだ。

WordPress 3.5最大の特徴はメディア機能の一新だが、私が運営しているサイト群では、その恩恵に浴するような使い方はしていない。画像をギャラリーで見せるようなサイトなら採用するかも知れないが、いまのところその予定はない。WordPress 3.4にしたとき、管理画面が以前より重くなったのも気になっていた。

いろいろ考え、WordPress 3.5.1が従来の全バージョンに対するセキュリティリリースというアナウンスもあったため、影響の少ないサイトから順にバージョンアップを実施した。WordPress 3.5からprepare関数の第2引数が必須になったり、メディア機能に関係するプラグインへの影響を懸念したが、特に問題なく稼動している*1

WordPress 3.5は、以前にも増してCMSを意識したつくりになっている。マルチサイト機能の向上や、デフォルトテーマである「Twenty Twelve」に固定ページ専用ウィジェットエリアが用意されるなど、ブログ以外のサイト構築に適した仕組みになっている。

私が懸念するのは、この考え方がさらに進み、WordPressがMovable TypeのようにCMSプラットフォームを志向していくのではないかということだ。Movable TypeからWordPressへトレンドが移ったのは、オープンソースだったWordPressの自由度だけでなく、Movable TypeのCMS志向が個人ユーザ離れを招いたと私は考えている。Movable Typeは、重くて複雑になりすぎた感があった。

いまやWordPressでのサイト構築はトレンドであり、モデレーターを務める方々も、ビジネスでWordPressをカスタマイズすることが多いためか、高機能化を無条件に歓迎しているように映る。確かに、オープンソースのCMSプラットフォームは魅力だろう。だが、本当に使いやすいシステムとはなにかを考えた場合、別の視点も必要ではないかと思う。高度なCMSプラットフォームになるほど管理画面は重くなり、いくらWordPressが再構築不要でも、使い勝手は悪くなる。ならばブログ用とCMS用にベースラインを分割し、それぞれ異なるロードマップを引くべきではないだろうか。

ソフトウェアの最新バージョンが常に最高かと言えば、決してそうではない。数世代前のほうが軽くて安定稼動することもあるだろうし、バグが枯れて安全なこともある。機能を統合して複雑になるより、シンプルで使いやすいものが求められる場合もある。開発側はとかくバージョンアップ至上主義に陥りがちだが、意思を持ってダウングレードし、セキュリティパッチだけ提供するのも一つの見識だろう。

Movable Typeの最新バージョンは5.2.3だが、2.xの最終バージョンであるMovable Type 2.661は人気が高く、これで運営を続けているサイトも散見される。「nlog(n)」は自宅サーバで安定した公開を続けられており、ブログの機能としてはこれ以上なにも要らない。私のお気に入りの巡回先である。私自身もカスタマイズしまくったMovable Type 2.65を動かしているが、軽くて快適である。WordPressが高機能になりすぎないことを望みたい。

(2013年2月20日追記)

プラグイン「Custom Field Gui Utility」を有効化していると、テーマによってはカスタムフィールドが表示されず、プレビューが機能しない。

  1. prepare関数のWarningが表示された場合は、prepare()の中をカンマで区切り、0やnullを返してやればよい。 []