世界最高の投影機能を持つ世田谷区立教育センタープラネタリウムは、アニメをやめてもっと星空を映すべき


この記事は2011年10月に掲載されたものです。
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世田谷区弦巻にある世田谷区立教育センターのプラネタリウムは、2010年5月8日にリニューアルされた。

プラネタリウムの世界トップメーカーである五藤光学研究所の光学式投映機「CHIRON」(ケイロン)7号機が納入され、星の位置に合わせて穴を開けた「恒星原板」が最新のものとなり、約1億4千万個、18等星までの恒星を投映することが出来る。これは現在世界最高だ。

11年3月19日にリニューアルした名古屋市科学館のプラネタリウム「Brother Earth」が世界一として人気を集めているが、あれはドームの内径が世界一であって、プラネタリウム本機はカール・ツァイスの「ユニバーサリウムIX型」で約9,100個の投影だ。東京の人は、もっと世田谷区立教育センターに注目すべきだろう。

ところが、せっかく世界最高の投影機能がありながら、上映プログラムの内容がよくない。投影は土日祝に1日3回行なわれ、午前中の1回が「ちびっこタイム」(約50分)、午後の2回が「一般投影」(約1時間)となっている。私は今年5月に「一般投影」を家人と見たが、前半の星空解説はいいとして、後半に子供向けアニメを投影したのにはがっかりした。少年が宇宙人と出会って知的生命体の探査について調べる「ポポンと調べた宇宙人探査」という作品で、宇宙と関係があるにしても、これを後半延々と流す神経が理解出来ない。家人も愕然としていたし、デートで来ていたカップルも災難だったと思う。

午前中に「ちびっこタイム」と銘打った投影があるわけだから、「一般投影」は全編大人向けと思うのが普通だろう。また、多少難解でも大人向けの内容に興味を示す子供はたくさんいる。世界最高の投影機能を駆使したプラネタリウムの世界を、なぜ1時間たっぷり堪能させてくれないのか。後半に流す作品は「オート番組」と呼ばれ、このアニメ以外にも複数あって、一定期間ごとにローテーションしているようだ。どうやら私たちはいちばん子供向けの作品に当たってしまったようだが、それでも「一般投影」でこの内容はないと思う。

あとから気づいたが、世田谷区立教育センターではこれ以外に「大人のための星空散歩」(約60分)が毎月1回夜に行なわれ、公式サイトには「高校生以上を対象にした、大人向けの投影です」とある。これが私たちが普通にイメージする投影だと思う。ならば「一般投影」という名称は変えるべきだし、「大人のための星空散歩」をもっと増やしてほしい。なんのための「世界最高の星空」か。これでは宝の持ち腐れではないか。

繰り返すが、好奇心旺盛な子供は大人向けの内容を見るぐらいでちょうどよい。それで優秀な子供が育つのだ。