明治はワイドショーに振り回される視聴者よりも、「明治プロビオヨーグルトLG21」を継続購入している人々を大切にすべきではないか


この記事は2012年2月に掲載されたものです。
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東日本大震災による計画停電で、発酵に電力が必要なヨーグルトが棚から消え、昔から食べていた「明治プロビオヨーグルトLG21砂糖0(ゼロ)」が供給されるのに相当時間がかかった。震災という非常時なので、これは我慢するしかないのだが、ヨーグルトが簡単につくれるものではないということを身をもって体験した。

2012年1月下旬から再び「LG21」が品薄になっている。というより、「LG21砂糖0」は生産休止になってしまった。理由は、「明治ヨーグルトR-1」に含まれるR-1乳酸菌(1073R-1乳酸菌)がインフルエンザ予防に効果があると複数のテレビ番組が伝えたためで、「R-1」を増産するために「LG21」レギュラータイプ以外の生産ラインをそちらに振り向けたという。

明治ホームページ「『明治プロビオヨーグルトLG21』シリーズの一部商品販売休止と『明治ヨーグルトR-1』シリーズの品薄状態に関するお詫びとお知らせ」

R-1乳酸菌を継続摂取した山形県舟形町や佐賀県有田町で学級閉鎖がなかったことは、11年1月に明治(当時は明治乳業)から中間報告されており、11年8月に開催されたセミナーで詳細が報告された。今冬も有田町の小学校で発症ゼロなことからテレビが一斉に取り上げたが、昨年からわかっていたことなのだ。

サーチナ「R-1乳酸菌のヨーグルトでインフルエンザが激減…有田町で実証」

今回は震災とは事情が異なる。なぜ、テレビを見て「R-1」に群がる視聴者のために、以前から「LG21」を継続購入している人々が犠牲にならなければならないのか。生産ラインを「R-1」にシフトしても、インフルエンザの流行期が終われば、視聴者の購入は鈍るだろう。それから「LG21」のラインナップを元に戻すというのは、「LG21」の購入者に対して失礼ではないだろうか。震災で全体の供給量を調整するのとは違い、一時的な需給バランスの乱れにどう対応するのか、明治の企業姿勢が問われていると思う。

ヨーグルトは毎日食べるものなので、私は本当は宅配にしたいくらいだが、宅配用の「LG21」はレギュラータイプしかないし、マンションなので保冷受箱も設置出来ない。今後も今回のようなことは起こり得ると思うので、明治はもっと抜本的な対策を取るべきではないか。例えば年単位の購入契約を結び、指定したスーパーやコンビニで安定的に商品を受け取れる会員制度を新設するなど、継続購入する人々の視点に立った新しいシステムの導入が必要だと痛感する。ブームに振り回される消費から脱却し、計画的な生産を行なってほしい。

(2012年6月18日追記)

他の製品は販売再開したが、「砂糖0」はまだ見かけない。明治への提言を改めて記した。

(2014年4月20日追記)

「砂糖0」が2年2か月ぶりに販売再開された。