『アタゴオルは猫の森』完結、ありがとうヒデヨシ


この記事は2012年4月に掲載されたものです。
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『アタゴオルは猫の森』(メディアファクトリー『月刊コミックフラッパー』連載)が、18巻で完結した。裏表紙に「アタゴオル40年余りに終止符を打つ」とあるので、これで本当に最後なのだろう。予定されていたことなのかも知れないが、東日本大震災、そして福島第一原発の事故がその時期を早めたのではないだろうか。ヒデヨシのラストの言葉が、雑誌掲載時は「いい夢 見ようぜー」だったのが、コミックスでは「自分の星をつくろうぜ」に変わった。

あとがき「アタゴオル余波」で、40年近いアタゴオルの歴史を著者が振り返っている。著者にとっては『ガロ』の時代が第1期という位置づけになるようだ。40年を強調しているのも、1973年からカウントしているからだろう。

  • 第1期 『ガロ』時代(1973年11月号「再会」でヒデヨシ初登場、『ヨネザアド物語』1975年5月号~1976年2月号)
  • 第2期 『月刊マンガ少年』時代(『アタゴオル物語』1976年11月号~1981年3月号)
  • 第3期 『月刊MOE』時代(『アタゴオル玉手箱』1984年6月号~1989年12月号、以後別冊で1994年まで断続的に掲載)
  • 第4期 『月刊コミックバーガー』時代(『アタゴオル』1994年12月号~1996年1月号)
  • 第5期 『月刊コミックフラッパー』時代(『アタゴオルは猫の森』1999年12月号~2011年12月号)

掲載誌がこれだけ変わりながら継続しているシリーズが、ほかにあるだろうか。この作品の影響で、日本中の猫がどれだけヒデヨシと呼ばれたことか。掲載の流れについては、「アタゴオル・メモ」が詳しい。特にこのページからたどっていくとわかりやすい。

私は『月刊マンガ少年』創刊時からの読者だが、『月刊MOE』で『アタゴオル玉手箱』が始まったときは感動した。『ガロ』から『月刊マンガ少年』への流れは普通だが、その連載が終わってまさか3年後に再びアタゴオルが読めるとは思わなかった。偕成社(当時の版元、現在は白泉社)の編集者によるインタビューがきっかけだそうだが(「ごろなお通信」プロフィール1984年参照)、私の中で『月刊MOE』の株が上がった。永田萠だけの雑誌じゃないんだと思った。

いつもは答えていないが、完結ということなのでモバイルアンケートにも回答した。この40年近く、ヒデヨシに本当に癒された。ますむらひろし先生、お疲れさまでした。

アタゴオルは猫の森 18 (MFコミックス)
ますむら ひろし
メディアファクトリー (2012-02-23)