ボタン電池の型番が直径+厚さを意味していることを、なぜメーカーはパッケージに書かないのだろう


この記事は2012年8月に掲載されたものです。
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ボタン電池の型番が覚えにくいと思ったことはないだろうか。私は歩数計で使用しているが、電池が切れるたびにどの型番だったかわからなくなるため、手帳にメモしていた。だが、ある日この型番が直径と厚さを表わしていることを知り、はたと手を打った。それからは明瞭に覚えられるようになった。

知っている人には常識だが、ボタン電池の型番にはルールがある。ソニーマーケティング「電池まめ知識」がわかりやすく説明している。

種類(S/L/C)+形状(R)+直径(nミリ)+厚さ(n.nミリ)

主な種類としてS、L、Cがあり、形状は円形なのでROUNDのRのみ。あとは直径と厚さで表記される。例えば直径20ミリ、厚さ3.2ミリのリチウムコイン電池なら「CR2032」になる。位取りが違うので、これが直径と厚さの組み合わせとは、教えられないと気づきにくい。直径は10ミリ未満だと1桁になるので、これもわかりにくい。直径9ミリ、厚さ2.7ミリの酸化銀電池だと「SR927」だ。「SR0927」にはならない。

これとは別に、よく使われる3種類のサイズは2桁の数字で表わすことになっていて、直径7.9ミリ、厚さ3.6ミリのアルカリボタン電池は「LR41」だ。こうした例外が混在しているのも、型番を覚えにくい理由だ。この3種類「41」「43」「44」は仕方がないが、それ以外はすべて直径と厚さの組み合わせになっている。直径の場合、小数点以下は切り捨てられ、6.8ミリでも「6」、24.5ミリでも「24」なので、実際のサイズとは微妙に異なるが、これを意識すれば意味のある数字になるので、型番が非常に親しみやすくなった。

電池メーカーは、なぜこのことをパッケージに書かないのだろう。例外の3種類を除き、「型番は直径と厚さを表わしています」と大きく書けば、ボタン電池がもっと身近になるのに……。メーカーは型番の意味など常識だと思っているため、そうした生活者の素朴な疑問に気づかないのではないだろうか。