家庭の防災ラジオを選ぶならソニー ICF-B99、コンデンサ内蔵の東芝 TY-JKR5より実用機能を重視


この記事は2016年10月に掲載されたものです。
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防災ラジオを買い替えることにした。昨年、携帯電話をフィーチャーフォン(ガラケー)からiPhoneへ機種変更したが、現在のものはiPhoneに手回しハンドル(ダイナモ)で充電出来ないためだ。今度はUSB端子付きで、iPhoneのLightningケーブルがつなげるものにする。

iPhoneの充電は電圧がきちんとかからないと反応しない。安物だと、iPhoneへ充電可能と謳っていても出来ないものがある。日本の大手メーカーでは、ソニー、東芝、パナソニックが防災ラジオを出しているが、ソニーだけが製品付属の「対応機種一覧表(2015年8月現在)」で、iPhone 6まで動作確認している。他メーカーもUSB端子があるので充電可能だが、ソニーの本気度が伝わってくる。

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それ以外に必要な要件としては、次を挙げたい。

  1. 入手しやすい単3形乾電池を使用していること。
  2. 防水仕様であること。防塵仕様だとなおよい。
  3. AM放送を受信しやすいワイドFM対応であること。
  4. 手回し充電の確認機能があること。
  5. 携帯電話への充電は、手回ししていないときも内蔵充電池から出来ること。
  6. 携帯電話への充電は、乾電池からも出来ること。
  7. 手回し以外で内蔵充電池を充電出来ること。

4は、手回し充電が出来ているかを確認出来るランプが欲しい。手回し充電は想像以上に疲れるため、この機能がないと途方に暮れてしまう。

5~7はセットになっている機能で、5~7が出来ないものは、手回し充電しているときでないと携帯電話に充電出来ない。5~7が出来るものは、先に内蔵充電池に充電してからになる。

  • 手回し充電⇒携帯電話(直接充電) ※5~7は出来ない。
  • 手回し充電⇒内蔵充電池⇒携帯電話(間接充電) ※5~7が出来る。

震災時は前者のほうが便利だと思うかも知れないが、手回し充電は疲れるため、少しずつ内蔵充電池に貯め、あとからまとめて携帯電話に充電するのが実用的だ。乾電池が残っていれば6も可能だし、内蔵充電池を劣化させないために平時に充電するには7が便利だ。

これらを比較したものが次の表である。

製品名 発売年月 1 2 3 4 5 6 7
ソニー
ICF-B99
2015年
11月

単3×2本

防水
東芝
TY-JKR5
2016年
2月
×
単4×2本

防水・防塵
× × ×
パナソニック
RF-TJ20
2016年
4月
×
単4×3本
×
自動選局
× × ×

東芝 TY-JKR5の内蔵充電池は、ニッケル水素電池ではなくコンデンサ(キャパシタ)を使用している。長期間劣化しにくいため、いざというとき手回し充電ですぐ使えることが売りだ。ソニー ICF-B99は劣化を防ぐため、年1回の充電が求められている。

大手メーカーでコンデンサを搭載しているのは東芝 TY-JKR5だけなので、これぞ震災用ラジオの決定版としているブログもあるが、家庭なら点検を兼ねて年1回充電したらいいわけで、それがデメリットになるとは思えない。むしろ、5~7が×のほうが問題ではないだろうか。コンデンサが適しているのは、企業などが大量に備蓄する場合だろう。

私も最初はコンデンサの点で東芝 TY-JKR5に心が動いたが、総合的に検討した結果、ソニー ICF-B99に決めた。

ソニー ICF-B99は太陽光発電も可能だが、これは気休め程度の充電量なので期待はしていない。むしろ、サイレンの機能を取って、付属品にホイッスルを入れている点を評価したい。こちらのほうが実用的だ。