私は小学校低学年まで小児喘息を患った。成長と共に症状が出なくなり、完治したと思っていたところ、中学校の修学旅行先で深夜に咳が止まらなくなり、一睡も出来なかった。環境の激変で発作が出たのだろう。
それからは年に数回、体調によって喘息が出ることがあったが、特に医者にはかからず、市販薬で抑えてきた。鎮咳去痰薬を試した中で、私にとてもよく効いたのが大正製薬「パブロンせき止め」である。即効性を実感出来る顆粒タイプで、これを1包服用すれば15分程度で症状が軽減し、夜でも寝られないということはなくなった。
「パブロンせき止め」は私のお守り代わりとなり、学生時代から現在に至るまで、常備薬として切らしたことはない。9年前に引っ越しで埃を吸ってしまい、それまで経験したことのない発作に見舞われてからは、主治医にグラクソ・スミスクライン「サルタノールインヘラー」を処方してもらって出番が減ったが、いまでも早めの「パブロンせき止め」は欠かせない。
ところが、以前はどの薬局・ドラッグストアでも買えた「パブロンせき止め」が、数年前から常備店を探すのに苦労するようになった。ソフトカプセルの「パブロンSせき止め」なら大抵置いているが、顆粒の「パブロンせき止め」がないのだ。
世田谷区にチェーン店の多いトモズ、セイジョーは共に扱いがなく、私の近所はこのどちらかなので困ってしまった。前回の買い置きはクスリのカツマタ自由が丘駅前店で購入したが、2010年に住商ドラッグストアーズに合併され、ここもトモズになってしまった。
通販での購入も検討したが、「パブロンせき止め」は指定第2類医薬品で、これは1人1個しか注文出来ない。メーカー希望小売価格1,428円(税込)で、通販だと半額程度で購入出来るが、これ1個では送料がかかってしまう。送料が最も安く(全国一律290円)、ヤマト運輸で発送してくれる「ケンコーコム」が1,015円(税込)なので(本店・アマゾン・楽天とも)、ここが最後の手段だと思ったが、その前に渋谷駅前の薬局・ドラッグストアを巡った結果が次のとおり。
店名 | 扱い |
ビックドラッグ渋谷東口店 | 扱いなし |
マツモトキヨシ渋谷Part1店 | 扱いなし |
マツモトキヨシ渋谷Part2店 | 扱いなし |
三千里薬品宇田川店 | 扱っているが品切れ |
サンドラッグ渋谷店 | 1,344円(税込、1人1個まで) |
オーエスドラッグ渋谷店 | 714円(税込、制限なし) |
サンドラッグ渋谷店は複数在庫があったが、通販と同様に1人1個の数量制限。価格もメーカー希望小売価格に近く、これならケンコーコムのほうが得だ。驚いたのはオーエスドラッグ渋谷店。通販並みの価格で、数量制限も特になかった。買い置きしておきたいと言うと、2個売ってくれた。
オーエスドラッグ渋谷店は、ビックカメラ渋谷ハチ公口店の左隣にある「クスリ調剤」の黄色の看板が目立つ、渋谷駅西口ではいちばん古めかしい薬局だ。やはり、新しいチェーン店より、こういう古い店が融通が利くようだ。
今回、薬局・ドラッグストアを巡ってみて、若い店員だと「パブロンせき止め」の存在さえ知らず、「パブロンSせき止め」と混同する人もいた。医薬品販売に携わるなら、パブロンの商品ラインナップぐらい知っておいてもらいたいものだ。