二子玉川にある「瀬田温泉　山河の湯」が、建て替えに伴って2013年5月12日に閉館することを発表した。建て替え後は再開せず、会員制スポーツクラブ「ザ・スポーツコネクション」のみになる。「ザ・スポーツコネクション」自体も工事期間中、2年間休館するという。

ここはいわゆる健康ランドだが、都内ではめずらしく地下の源泉から温泉を汲み上げているのが特徴で（毎分350リットル、湯温45.5度）、加水は一切していない100％天然温泉である。特に寝湯とジャグジーは循環なしの「源泉掛け流し」で、こういう温泉が近所にあるのは魅力だった。

「瀬田温泉　山河の湯」「ザ・スポーツコネクション」が入る瀬田パークアベニューは、3棟から成る巨大な建物で、当初はショッピングモールとして1980年に開業。だが、二子玉川駅から徒歩10分なのに加え、瀬田交差点からも逆方向になるため客足が伸びなかった。このため、82年に「ザ・スポーツコネクション」としてリニューアルし、バブル期の超高級会員制スポーツクラブとして一世を風靡した。その後、97年に源泉を掘り当て、同年11月にオープンしたのが「瀬田温泉　山河の湯」である。

私もずいぶん利用させてもらったが、確かに近年は施設の老朽化が目立ち、岩盤浴がないなど設備的にも見劣りしていた。07年に同じ東急田園都市線の宮前平駅前に「宮前平源泉　湯けむりの庄」が開業してからは、そちらの評判が高く、客も流れていたと思う。せっかくの天然温泉が活用されないのは残念だが、瀬田パークアベニュー全体を再開発するようなので、後継施設に注目したい。

これで、宮前平はますます混雑するのではないだろうか。