NTTPCコミュニケーションズから、WebARENA SuiteXがPHP 5.3に対応したというメールが11月2日届いた。SSIタイプ(Apacheのモジュール)としてはPHP 5.1.6のままだが、CGIタイプとしてPHP 5.3.3が使えるようになった。
CGIタイプとして動かすためには、スクリプトの先頭にパス(#!/usr/bin/phpもしくは#!/usr/local/bin/php)を書いてパーミッションも変えないといけないが、WordPressのファイル全部にそんなことは出来ないため、.htaccessで宣言する。これにより、そのフォルダ配下の拡張子phpのファイルはすべてPHP 5.3.3で動く。
AddHandler application/x-httpd-php53 .php
メールには改定されたオンラインマニュアルへのリンクが張られているが、これが誤解を招く書き方になっている。
■ WordPress 3.2 のバージョンアップ方法
http://web.arena.ne.jp/suitex/support/manual/apli/wps32/wps32.html
このページでは、.htaccessやwp-config.phpの設置場所を、
/app-def/S-102/お客様が設定したディレクトリ名/
と書いてあり、混乱する。確かにWebARENA SuiteXには「app-def」というフォルダがデフォルトであるが、「S-102」とはなんなのだ。ここにWordPressをインストールし直さないといけないのか。
少し考えて、これはWebARENA SuiteXの管理画面からインストールした場合だとわかった。サイトマネージャーの「CGIインストール」からWordPressを入れると、自動的にこのフォルダにインストールされるのだ。CGIは「C-xxx」、CMSは「S-xxx」になるらしい。
自力でhome配下にインストールしたユーザには全く関係なく、そうしたユーザならすでに.htaccessを設置しているだろうから、その先頭に書けばいい。
AddHandler application/x-httpd-php53 .php
もう1点、memory_limitについても指示されている。WebARENA SuiteXはデフォルトで8Mしか割り当てられていないため、WordPress 2.8になってメモリ使用量が増えたとき、プラグインによってはダッシュボードが真っ白になった。このため、私は.htaccessで64Mに増やしていた。
php_value memory_limit 64M
今回はwp-config.phpで128Mにしろというもの。wp-config.phpと矛盾してはいけないので、.htaccess側は削除して、wp-config.phpのみ追記する。私はデータベース設定の直前、26行目に入れた。
define('WP_MEMORY_LIMIT', '128M');
メモリの割当自体は増えているのだろうか。phpinfo()で確認すると、PHP 5.3.3のmemory_limitはMaster Valueは相変わらず8Mだが、Local Valueが256Mになっている。
以上の2ファイルをFTPで上書きしたのち、WordPress 3.1.4から3.2.1へ自動更新。特に問題なくバージョンアップは終了した。WebARENA SuiteXのマルチドメイン設定で、複数のサブドメインをWordPressを使っている場合も問題ない。
複数サイトでバージョンアップし、いまのところ気づいた不具合は下記2点。
- ゲストブックに使用しているプラグイン「DMSGuestbook」で、日本語設定ファイル(japanese.txt)が飛んでしまった。プラグインの管理画面でもエラーが表示された。データベースの再設定ボタンを押し、「Simplelives」からファイルを再度アップロード・選択して直った。
- 特定のテーマで、ログイン中にサイト上部に表示される管理バーの右端(検索フォーム)が崩れる。テーマに依存する問題なので、これはあきらめるしかないか。
バージョンアップ後は動きが軽快になり、パフォーマンスがよくなったような気がする。これで様子を見たい。