8月第3土曜(年によっては第4土曜)は、世田谷区と川崎市の花火大会だ。それぞれ「世田谷区たまがわ花火大会」「川崎市制記念多摩川花火大会」という名称だ。
川崎の花火大会は、川を挟んだ正面に世田谷区立二子玉川公園が2013年オープンした。多摩川のスーパー堤防部分が「眺望広場」になっており、そこにパイプイスを並べて有料協賛席(約1,100席)の上野毛会場としている。
公園の工事中は、「こんなところに小高い丘(眺望広場)が出来たら、花火大会で人が殺到するのでは」と思っていたが、大会数日前から公園全体がバリケードで封鎖され、チケットを持った観客しか入園出来ない。「川崎市が世田谷区の公園を封鎖していいのか」と思ったが、収益金は全額公園の保全に充てるとのこと。園内にあるスターバックスも臨時閉店となる。
花火大会の警備は、世田谷区と川崎市がそれぞれの行政区域を警備するのではなく、越境して川向こうまで警備する。打ち上げる側が対岸の警備まで責任を持つようだ。二子玉川公園が川崎市の上野毛会場になるのも、こうした理由からだろう。当日は川崎市が雇ったガードマンが、上野毛の至るところに立っている。ちょっと不思議な光景だ。
13年はそんな二子玉川公園を横目で見ていた私だが、眺望広場から花火を眺めたらさぞ気持ちがいいだろうと思い、14年にペア席(パイプイス×2脚、13,000円)を購入してみた。
打ち上げ会場の正面なので、花火自体はよく見えるが、広い多摩川を挟んでいるため音楽やナレーションがよく聴こえない。高い位置なので、低い位置の仕掛け花火がよく見えない。そしてこれが最大のネックだが、川崎の花火大会自体が世田谷より地味に思える。
右手遠くには世田谷の花火大会も小さく見えるのだが、どう見てもそちらが派手なのだ。川崎で間が空くと、つい世田谷のほうを見てしまう。花火の迫力を堪能したいなら、世田谷の有料協賛席を購入したほうがいいのではないか。
逆に上野毛会場のメリットは、さほど混雑しておらず、トイレも近いので、落ち着いた雰囲気で楽しめることだろう。芸能人の姿も見掛けたが、人ごみを避けたい有名人にはちょうどいいかも知れない。上野毛会場なら、終了したら上野毛駅まで10分で帰れる。世田谷の有料協賛席だと、二子玉川駅まで大混雑で2時間以上(!)かかる場合もあるという。
Q.過去の混雑状況を教えてください。
A.例年、観客数は約37万人となっています。
平成22年の第32回大会時には、最寄駅の二子玉川駅から会場まで1時間以上かかりました(打ち上げ時間の1時間ほど前のピーク時)。
花火終了後も、大混雑のため、二子玉川駅まで2時間以上かかる場合があります。
用賀駅までは徒歩約20〜30分、成城学園前駅までは徒歩約30〜40分であるため、そちらのご利用をおすすめします。
家人が言うには、世田谷と川崎の花火大会両方が一度に楽しめる特等席は、東急電鉄「二子玉川駅」のホームらしい。駅員に立ち止まらないよう注意されるが、このホームの端からがいちばん眺めがよいそうだ。