「ほぼ日手帳」でインクフローのよい万年筆を使う場合、吸取紙を使わないとページが閉じられない


この記事は2013年9月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。

早くも来年の手帳が店頭に並ぶ季節となった。

私は「ほぼ日手帳オリジナル」+ほぼ日ストア購入特典の三菱鉛筆「JETSTREAM」(3色ボールペン)を使用しているが、昨年12月から万年筆の魅力に目覚め、手書きはなるべく万年筆でしたいと思うようになった。

最近は私の周囲を見ても、万年筆ユーザが着実に増えているように感じるが、実際にビジネスで手書きをするシーンは限られる。ならば手帳など従来から手書きのものは、少しでも万年筆を使いたいというのがユーザの心境だと思う。

使ってみて実感したのだが、ほぼ日手帳の本文用紙に使われている巴川製紙所「トモエリバー(手帳用)」は、インクの裏抜けはないが乾くのが早いとは言えない。辞書にも使われる紙種ということで、薄くて軽いのに裏抜けしないのは立派だが、その分薬品でコーティングしているわけで、インクを吸収するのが遅いのだろう。

インクが乾くまでどれくらいかかるのか。私の場合、携帯用には下記を持ち歩いている。

  • ペリカン「M200デモンストレーター」(Fニブ)+パイロット「色彩雫」【深海】
  • ラミー「サファリ」(EFニブ)+パイロット「色彩雫」【秋桜】

どちらも裏抜けはないが、ペリカンはFニブでもインクフローがよいので、乾くのに30秒はかかる。その前にページを閉じると、対向面にインクが付着してしまう。サファリのEFニブはインクフローは渋めだが、安心してページを閉じられるまで15秒かかった。

ページをめくりながらスケジュール調整する手帳で30秒待つのは非実用的なので、ペリカンを使うなら吸取紙が必須だと思う。サファリは10秒で乾くときもあったので、EFニブで注意しながら使えばそのままでもよいが、出来れば吸取紙があったほうが安全だと思う。ほぼ日手帳のオリジナル文房具として、しおり兼用の吸取紙を販売すれば万年筆ユーザに喜ばれるのではないだろうか。

ほぼ日手帳に万年筆を使った場合のレビューを読むと、裏抜けしないことは確認されているが、手帳として重要な速乾性に言及されたものが少ないように思う。手帳はスケジュール調整や複数プロジェクトの記録で、前後のページに同時に書き込むことも多いわけで、速乾性は非常に重要な機能だと思う。

なお、ほぼ日ストアでは「ほぼ日手帳 2013 spring」までは下記の記載があった。

手帳の紙への、万年筆のご使用について

ほぼ日手帳で使用している
「トモエリバー(手帳用)」の紙に万年筆をお使いいただく場合、
お使いの万年筆や状況によっては、にじみや裏写りがあったり、
乾きにくいとお感じになる場合もあるかもしれません。
その他、水性のインクなどをお使いいただく場合にも、
まずは、目立たないところで試し書きをしてから
ご納得の上、お使いになることをおすすめいたします。

本日現在、「ほぼ日手帳 2014 WEB SHOP」にはこの説明がない。万年筆ユーザは増えていると思うので、きちんと入れたほうがよいのではないか。

なお、ほぼ日手帳のライバルである1日1ページタイプのマークス「EDiT」は、2013年度版までほぼ日手帳より乾きが遅いとネット上で指摘されていたが、2014年版からは王子製紙と共同開発したオリジナル用紙「NEO AGENDA II for EDiT」に変更した。All About「メンズスタイル」の展示会リポートによると、「水性ゲルインクで書いても、1秒経つか経たないかくらいですでに乾いていた」とあるので、万年筆でも期待出来るかも知れない。

(2013年9月17日追記)

「NEO AGENDA II for EDiT」は、残念ながら万年筆で裏抜けするようだ。

(2013年9月29日追記)

ほぼ日ストアで、各注文画面の横に「知っておいてほしいこと」のリンクが付き、「万年筆のご使用について」の注意書きに飛ぶようになった。文面は「ほぼ日手帳 2013 spring」と同一である。