MDからPCへアナログでダビングする手順


MD (MiniDisc) がこんなに早く廃れるなんて、誰が考えただろう。カセットテープに替わるデジタルなメディアとして、時間をかけてダビングした労力はなんだったのかと思う。それだけMP3フォーマットの普及が早かったということだろう。

MD搭載機器は業務用・民生用共にすべて生産を終了しており、販売分を残すのみである。手持ちの機器が動くうちに、MDのデータをPCに取り込む必要がある。⇒Wikipedia「ミニディスク」

MDはデジタルだが、通常のMDプレーヤーからファイルのままPCに取り込むことは出来ない。PCとの親和性が高いHi-MD規格のプレーヤーが必要だが、それも早々と生産終了し、ソニーのHi-MDウォークマン「MZ-RH1」は、ダビング需要で発売時の直販価格39,800円(税込)が、本日現在アマゾンで新品が105,000円(税込)からとなっている。

SONY Hi-MD ウォークマン MZ-RH1 S
ソニー (2006-04-21)
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MZ-RH1はUSB端子があり、ソニーが現行ウォークマン(デジタルオーディオプレーヤー)用に無償配布している「x-アプリ」を使えば、MDからPCにファイルを取り込める。ただし、ファイル形式はソニー独自のATRAC(拡張子aa3/oma/omg)で、現行ウォークマンとの互換性はあるが、iTunesなどのMP3形式にするなら変換が必要。ATRACからMP3へのコンバータをソニーは公式には公開しておらず、米国ソニーがサポートページでひっそり公開している「MP3 Conversion Tool」などを使う。

dzone.blog / Visual Studio 超初心者「[au LISMO/SONY] ATRAC形式音楽ファイルをMP3形式に変換する公式ソフト」

それでも、ジャケット情報が付かないものがあったり、曲順が狂うものがあるそうで、よほど希少なものでない限り、iTunesで取り込み直したほうがいいのではないか。

まだ買ってますか。「SONY Hi-MDウォークマン MZ-RH1(MD資産継承)」

私は学生時代ずっと放送部で、制作したラジオドラマや録音構成がある。卒業時に6ミリのオープンリールテープからカセットテープにダビングし、MDにダビングしてからは「これで永久保存」と思っていたのに、とんだ計算違いだった。唯一無二のオリジナル作品なので、これはPCに取り込む必要がある。

MZ-RH1はないが、まだ残してあるWindows XPのデスクトップパソコンには、ステレオミニジャックのライン入力端子がある。手持ちのMDレコーダーのヘッドホン出力端子と接続すれば、ダビング自体は可能だ。アナログなので再生時間=ダビング時間になってしまうが、大切な思い出のためには仕方がない。

Windows 7は全台ノートパソコンにしたため、マイク入力端子しかない。ステレオ端子ではあるが、ライン入力とマイク入力は信号の強さが全く異なり、抵抗入りのコードを使って信号を減衰させないといけない。このため、ライン入力端子のPCがあるうちにダビングをしておきたい。

私の手持ち機器を使った手順は次のとおり。

  1. デスクトップパソコンのライン入力端子を確認

    ライン入力端子

    日本HPウェブサイト/HPサポートセンター「HP Compaq Business Desktop dc5750 SF – コンピュータ背面の接続コネクタの種類と位置について」より(部分)


    日本HP「HP Compaq Business Desktop dc5750 SF/CT」背面にある水色のライン入力端子を確認する。

  2. MDレコーダーのヘッドホン出力端子を確認

    ソニーポータブルミニディスクレコーダー「MZ-B100」

    ソニーポータブルミニディスクレコーダー「MZ-B100」(ソニーサイト「製品情報」より)


    ソニーMDレコーダー「MZ-B100」は、画像のようにリモコン部分にステレオイヤーレシーバーを接続するので、ここに接続コードを挿せばよい。

  3. 両端がステレオミニプラグのオーディオコードを準備

  4. 録音用アプリを準備

    ぽけっとれこーだー

    Windows XPのアクセサリーにある「サウンドレコーダー」は60秒しか録音出来ないので、フリーソフトの「ぽけっとれこーだー Ver2.18」を使用した。

    非圧縮のWAV形式で保存されるので、あとからMP3へ変換すればよい。まずは標準のWAV形式にしておくのがセオリーである。形式はオーディオCDと同じ「44100Hz 16ビット ステレオ」にする。

  5. オーディオレベルメーターアプリを準備

    DeskTopLevelMeter

    ダビング時に問題になるのが、音量レベルの設定だ。アナログでのダビングなので、スピーカーの音量しか基準がないのはつらい。そこで、フリーソフトのオーディオレベルメーター「DeskTopLevelMeter ver.0.30」を入れてみた。

    放送部で制作した作品は、マスターテープからのダビングなので、冒頭に1KHzのテストトーンが入っている。テレビの放送終了時や規制音に使われる「ピー音」だ。アナログ録音では、これがVUメーターで-20dBになるよう設定していたので、DeskTopLevelMeterをVUメーターにして、MZ-B100のボリュームを調整する。

  6. ダビング

    MZ-B100の再生をポーズで止めておき、ぽけっとれこーだーの録音ボタンを押すと同時にポーズを解除。MZ-B100の再生が終了すれば録音を停止する。停止後にWAVファイルの生成が始まるので、録音時間が長いと少し時間がかかる。

    オーディオコードを正しく接続しているのに、オーディオレベルメーターが振れない場合は、[コントロールパネル]⇒[サウンドとオーディオのデバイス]を確認する。[オーディオ]で録音デバイスがライン入力端子になっているか。レベルメーターは触れるが、PCのスピーカーから音が聞こえない場合は、[音量]⇒[詳細設定]⇒[マスタ音量]でラインイン入力端子がミュートになっていないか確認する。dc5750 SFでは、ラインイン入力端子が「Rear Blue In」という表記になっている。

  7. ファイル分割と不要部分のカット

    Free Audio Dub

    アナログのダビングでは、MD1枚に複数作品収録されていても、ファイルが自動分割されるわけではない。前後の無音部分もそのまま録音される。このため、「Free Audio Dub 1.7.9.908」でファイル分割、不要部分の削除を行なう。再エンコードしないソフトなので、ファイルの品質は落ちない。シンプルで使いやすいフリーソフトである。

  8. MP3形式に変換

    EfficientConverter

    WAV形式だとファイル容量が巨大なため、MP3形式に変換する。私は「Efficient WVA MP3 Converter v.0.99.9.3」を使用した。変換形式は、オーディオCDのデフォルトである「44100Hz ステレオ 128kbps」のままでよい。