IP電話のセールスを断わるなら「障害に備えて回線は分けるポリシー」と言えばいい


この記事は2014年8月に掲載されたものです。
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家庭用の光ファイバーは、元々は通信キャリアがインターネット回線、ケーブルテレビ会社がケーブルテレビ回線として引いたものだが、それぞれの用途が広がり、さらにIP電話のサービスも付加されて、いまやどちらもインターネット+映像配信サービス+IP電話のセットでセールスされるのが普通になった。特に、比較的手軽なIP電話を勧められることが多いと思う。

コストだけを考えれば、確かに回線をまとめれば安価だし、家庭の固定電話はほとんど使わなくなっているので、ナンバーポータビリティで番号をIP電話に移せば事足りるが、それは家庭用の光ファイバーを信用しすぎだと思う。私は、下記の理由で回線をまとめたいとは思わない。

  • 回線に障害が起きた場合、インターネット、テレビ、電話がすべて使えなくなり、通信インフラが全滅してしまう。携帯電話があっても、災害時には心許ない。

  • 家庭用の光ファイバーは、回線の輻輳ふくそうや障害が実際に発生する。メンテナンス工事も定期的にある。その時間帯に録画したい番組があったらどうするのか。

  • 市販のブルーレイレコーダーと比較し、通信キャリアやケーブルテレビ会社が提供する録画機能付きチューナーが貧弱。特にNTTぷらら「ひかりTV」はパススルーでないため、パソコンを経由しないとメディアに焼けない。非常に面倒だと思う。

    ひかりTV「BDダビングマニュアルページ」
    ひかりTV「ひかりTVリンク-接続・操作ガイド」

  • IP電話はFAXが安心して使えない。1XY特番0AB0特番などで掛けられないものがある。停電時は電話自体が使えない(一般加入電話なら停電時も使える)。

こんなにリスクがあるわけで、私はセールスがあっても断わっている。断わるのは簡単で、

うちは障害に備えて回線は分けるポリシーです。

と言えば、それ以上絶対に勧めてこない。これほど明確な理由はなく、これに抗弁出来る人間は、通信キャリアやケーブルテレビ会社にはいないはずだ。