通販サイトはカランダッシュ849の初期装填芯の太さと色を明記すること、伊東屋バージョンは中字がセットされていて魅力


この記事は2015年3月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。

万年筆の魅力に目覚め、手書きはなるべく万年筆でしたいと思うようになって2年経った。所有する万年筆も増え、ビジネスシーンでも使えないか試しているのだが、実際にはなかなか難しい。プライベートなら万年筆に適した用紙を選べるが、ビジネスで使用する紙は100%コピー用紙か複写用紙と言っていい。本当は署名こそ万年筆を使いたいのだが、コピー用紙だと滲んで渇かないし、複写用紙だとボールペンしか無理である。

コスト削減のため、勤務先のコピー用紙のクオリティが下がっていることもあり、署名を万年筆ですることはあきらめた。ならば、同じボールペンでも〈ぬらぬら感〉のあるカランダッシュの太字で書きたいと思うようになり、手元にエクリドールとオフィスライン849を置くようになった。

849の呼び方で確認だが、「オフィスライン849」はシリーズ名。「849コレクション」という場合の「コレクション」はモデル名と認識している。つまり、「エクリドール」に対しての廉価版「オフィスライン849」であって、「コレクション」の正式名称は「オフィスライン849 コレクション」のはず。「849コレクション」のつもりで「849オフィスライン」と書いている記事も散見するため、ここで確認しておきたい。間違っていれば、ぜひご指摘を。

カランダッシュを選んでいて気づいたのは、最初に装填されているゴリアット芯は必ずしも中字(M)ではないこと。また、太字(B)が初期装填されているものはなく、替芯として別途購入しなければならないこと。万年筆だとニブの太さを最初に選ぶので、この感覚が違う。廉価な849だと、価格の1/3程度をゴリアット芯が占めるので、本当は最初から本体とは別に芯の太さと色が選べるとうれしいのだが……。

初期装填芯はエクリドールが中字(M)、849が細字(F)の場合が多いが、849は限定品だと中字(M)の場合があり、色も黒ではなく青のときがある。同一モデルでも軸色によって違うことがあり、実際に確かめないと確実なことは言えない。このため、ネット通販では初期装填芯の色と太さを必ず明記すべきだが、不明なサイトが結構あって愕然とした。カランダッシュのボールペン通販では、ゴリアット芯の太さと色を明記すること。これが常識だと思う。

今回、私は伊東屋のリアル店舗で購入したのだが、伊東屋の店員はカランダッシュの利用率が非常に高い。「伊東屋オンラインストア」の商品説明で、下記のように書いているほどだ。

849ボールペンは、伊東屋の社員が所持している率が高いため、店頭でサインをいただく際などにお使いいただくと、その書き心地に感動して、その場で購入して下さるケースがよくございます。

これは本当で、伊東屋でクレジットカードにサインするとき渡されるボールペンは大抵カランダッシュだ。ポップな849の場合もあるが、太字(B)を入れたエクリドールを渡されたりすると、〈ぬらぬら感〉に魂を奪われそうになる。ゴリアット芯の場合、細字(F)と中字(M)はそれほど差を感じないが、太字(B)は異なる次元の書き心地だ。だが、その「伊東屋オンラインストア」も「商品仕様・スペック」にゴリアット芯の太さと色は明記されていなかった。これは改善してほしい。

カランダッシュ 849伊東屋バージョンボールペン ブラック

カランダッシュ 849伊東屋バージョンボールペン ブラック(「伊東屋オンラインストア」より)

伊東屋では、「オフィスライン849 コレクション」のうち4色を伊東屋バージョンとして伊東屋ロゴ入りで販売しているが(「SWISS MADE」マークの位置に伊東屋ロゴが入る)、これが定番の「コレクション」なのに初期装填芯が中字(M)の黒である。これぞ最大のウリではないかと思うのだが、「伊東屋オンラインストア」では説明がない。私はリアル店舗で実際に芯を見て初めて知った。伊東屋なので希望小売価格3,024円(税込)のままだが、ゴリアット芯を買い直さないで済むことを考えると、他の格安通販とほぼ互角である。伊東屋はこの点をもっとアピールすべきだろう。