「TIMBUK2」は「ティンバックツー」ではなく「ティンブクツー」と発音する


この記事は2012年9月に掲載されたものです。
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カメラバッグ探しのことを書いた記事で、サンフランシスコ発のメッセンジャーバッグ「TIMBUK2」の発音を「ティンバックツー」と書いた。日本公式サイトのタイトルバーに「TIMBUK2(ティンバックツー)」と書いてあったからだ。

だが、先日ビックカメラ有楽町店へ行ってみると、「ティンブクツー」と書かれたポップがあるではないか。確かに、よく考えると「TIMBUK2」を「ティンバックツー」と発音するのは無理がある。公式サイトで沿革を見ると、1990年の個所にこんな記述がある。

伝説的なアフリカの都市「Timbuktu(日本ではトンブクトゥとして有名)」と有名なインディーズバンドである「Timbuk3」からインスパイアされ、 自分のブランドを「TIMBUK2」と名付けた。

Timbuktuは、西アフリカにあるマリ共和国の世界遺産「Tombouctou(トンブクトゥ)」の別名で、辺境の都市だったため、異国や遠く離れた土地の比喩として使われてきた。Timbuktuの発音は「ティンブクトゥ」が一般的で、これを「あの世」と表現したポール・オースターの小説『ティンブクトゥ』がある。柴田元幸氏の翻訳なので、 発音はこれで間違いないだろう。

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Timbuk3のほうは、1986年にアルバムデビューした米国の夫婦デュオで、日本語では「ティムバック3」と表記する。そうなると、「Timbuktu」の「ティンブク」に、数字のツーを合わせた「ティンブクツー」が日本語表記としては正しいと思う。

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パソコンの世界では、リモートデスクトップ製品で「Timbuktu Pro」というのがある。特にMacintoshのサポート用として知られており、これも離れた場所を意味するのだろう。

公式サイトが「ティンバックツー」になっている以上、それでもいいのだろうが、名前の由来からして「ティンブクツー」が正しい表記だろう。先達サイトでは、「FrogBlog」が2006年にこの件をいち早く取り上げている。