二子玉川ライズに出来る二子玉川図書館ターミナル(仮称)は予約した資料の貸出・返却のみ対応、本当に図書館機能を補完出来るのか注目


2015年4月下旬に開業する二子玉川ライズ第2期事業(二子玉川東第二地区第一種市街地再開発事業)では、世田谷区が整備する公共施設として、図書館の新設が期待されていた。世田谷区立の図書館は多いが(中央図書館、地域図書館×15、まちかど図書室×5)、二子玉川、下北沢、三軒茶屋などが最寄り図書館から1km以上となっており、今回の再開発で二子玉川に図書館が整備されることを近隣住民は希望していた。

世田谷区立図書館まで遠い地域(赤丸)

世田谷区立図書館まで遠い地域(赤丸)(世田谷区立図書館ホームページ「図書館地図」に加筆)

これを受け、世田谷区教育委員会は14年度に策定した「図書館ビジョン【第3期行動計画】」で、二子玉川図書館ターミナル(仮称)の設置を決定したが、14年11月4日に開催された世田谷区政策会議で報告された資料によると、約50平方メートルのカウンターのみの施設で、インターネットまたは専用端末(タッチパネル)で予約した資料(図書・雑誌、CD等)の貸出・返却だけを扱う。私たちがイメージする開架式図書館ではなく、運営は業務委託になる。

世田谷区ホームページ/平成26年11月4日開催政策会議「二子玉川東地区再開発第2期事業における公共施設等の整備状況について」

東急田園都市線・大井町線「二子玉川駅」と世田谷区立二子玉川公園を結ぶリボンストリート(歩行者専用通路)に面した、二子玉川ライズタワー&レジデンス寄りの場所で、13年6月に開催された区民説明会では約155平方メートルとされていたが、最終的に約50平方メートルと、1/3以下に縮小されてしまった。構想されていたカフェスペースも見送りとなった。

世田谷区ホームページ/意見交換会「二子玉川東地区再開発第2期事業における公共施設整備(案)区民説明会を開催しました。」

区民説明会では年間約1,500万円の賃貸料が発生するとしていたため、同じ東急電鉄が開発主体の渋谷ヒカリエで渋谷区関連施設が無償で入居しているのに、なぜ二子玉川ライズで同じ手法が取れないのかといった鋭い質問も出ている。結局面積を1/3以下にして、再開発組合側がスペースを無償提供することで決着したようだ。

商業地区への図書館新設はコストがかかるため、せめて予約による貸出・返却機能だけでも実現するのは理解出来なくもない。「図書館ターミナル」という発想は、世田谷区議会のひうち優子議員が提案したものらしい。

ひうち優子オフィシャルサイト/政策「行政サービス」

しかし、開架された本棚や新聞・雑誌の閲覧サービスさえない施設が、本当に図書館機能を補完出来るのかは未知数で、非常に実験的な施設と言える。開架された本棚を見て回ることで、私たちは触発されたり新しい出会いをするのであり、ネット通販だけでは物足りずにリアル書店に足を運ぶのと同じである。その機能を失くしてまで「図書館ターミナル」を整備する必要があるのか、今後の利用状況を注目していきたい。

世田谷区区議会平成26年9月定例会議事録によると、世田谷区は二子玉川の状況を検証しながら、三軒茶屋や下北沢などへの設置を検討するとしている。