受付
9時半の開館と同時にグランド・ギャラリー(ロビースペース)で受付。参加費を支払い、旅のしおりとチラシが入ったクリアフォルダ、展覧会の当日券を受け取る。首都圏からも数名参加している模様。各自で展覧会を見たり、フォトスポットで記念撮影して、10時50分に再度集合。
企画展は前日にも一通り見ていたが、改めて眺める。初めて出展される作品もあり、特に「宮沢賢治の童話とともに」のパートは充実していた。出口付近の映像コーナーでは、ますむら氏の自宅で昨秋収録したインタビューを流しており、これも必見。愛猫家で知られるますむら氏だが、猫を飼うきっかけは水俣病の再現実験だとか、『銀河鉄道の夜』を何度も漫画化するのは、登山家が指を失っても山を目指すようなものだとか、改めて作家本人が口にすると重みがある。収録した学芸員の方の企画展に懸ける思いも伝わってくる。
昼食
11時から美術館内のレストラン「パティオ」で少し早い昼食。ここで、ますむら氏と地元の宮沢賢治研究家・牧野立雄氏が合流。お二人は前日のアーティスト対談「賢治と盛岡―イーハトーブの夢を紡いだ街」で登壇し、それが本日の予習になっている仕掛け。メニューはエビフライカレー。ちなみに企画展にちなんだ特別メニュー(税込2,200円)もある。
かたつむり+酢ダコちゃん+米沢風芋煮+紅マグロ風紅鮭など、作品世界だよ pic.twitter.com/ygtyumF5HE
— ますむらひろし (@masumurahiroshi) 2019年1月12日
美術館~下ノ橋
正午に中型バスで出発。前半は盛岡市内、賢治の青春時代の場所を巡る。最前列にますむら氏と牧野氏が座り、主に牧野氏がマイクで解説。学芸員ら4名が同行。盛岡駅を越え、盛岡城跡公園(岩手公園)そばで下車。下ノ橋の賢治下宿跡に向かう。東北有数の総石垣造りを見上げ、これを視界に通学した賢治の心境を思う。そばにある共同井戸(賢治清水)、歌碑「ちゃんがちゃがうまこ」、親友・保阪嘉内が通った下ノ橋教会などを見る。
雪がほとんどないので、盛岡城跡公園の上まで登ることに。中津川沿いを歩き、賢治の詩碑「岩手公園」を見る。賢治と交流のあった盛岡浸礼教会(のちの内丸教会)のタッピング牧師一家が描かれている。牧野氏曰く、ここまで見に来る人は少ないとのこと。氷点下(-5℃)なので氷は張っているが、雪は日陰しか残っておらず、問題なく登れる。
本丸跡から市街地を眺め、バスに戻る。盛岡は湿地帯を埋めてつくられた街で、北上川の西側は材木置き場で、中津川の河川敷はかつて牧場だったことを知る。これに雫石川が合流し、盛岡は「川の街」だと感じた。
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